何事においても、良いパフォーマンスをするためには「脱力」が大切です。それはマンドリンの演奏においても同じです。
先ずは、右手の脱力トレーニングから取り組み、その後に左手の脱力、押弦時の右手の脱力、と進めていくと、身体の感覚を掴みやすいです。決して、力任せで演奏し続けないことが大切です。
そして、身体のどこかに違和感や痛みが感じられる場合は、何か無理が生じている現れです。
上手く弾けるようになったら楽になる、ということではありません。
無駄な力を抜いて、楽に弾けるようになれば、さらに上手になります。
違和感や痛みが無い、楽に演奏できるフォームを見つけられたら、上達は早くなりますし、さらに良い演奏を目指すことが可能になります。
マンドリン左手フォームの基本の形
【良い例】
良い例とはしているものの、上図の私の場合は、指のバランスとしては、中指と小指に対して薬指が長いので、薬指の第1関節が普通の人より折れてしまいます。
皆さんも、単に手が大きい小さい、指が長い短い、だけではなく、それぞれの指のバランスで、関節の角度は違ってきます。
できれば、4本全ての指の第1関節、第2関節が、軽く曲がっていると良いですね。
特に、小指だけ真っ直ぐ伸ばして押さえている場合もあります。
そのような方は、左手の重心が人差し指側に寄っているかもしれません。小指を押さえる時に、指先から伸ばそうとせず、手のひらの中の関節を広げるイメージで重心を変えてみてください。
弦を押さえる指の向きは、自分の身体を指す方向が良いですね。
マンドリン左手フォーム:演奏中における14個のチェックリスト
基本的なフォームについては、既に市販されている教則本にも必ず掲載されていますし、また教室の先生や所属クラブの先輩にも最初に教わっているでしょう。
そして、そのように構えてみますよね。
しかしながら、実際の演奏が始まるとなかなかその基本通りにはいかない、というのが現実です。
そこで、以下のような、チェックリストを作ってみました。是非、ご自分に当てはまるものがないかどうか確認してみてくださいね。
① 親指に力が入り過ぎていないか?
② 親指が外側に反り過ぎていないか?
③ 親指が内側に曲がり過ぎていないか?
④ 手首や甲に力が入り過ぎていないか?
⑤ 手首がくの字になって前に出し過ぎていないか?
⑥ 手首が反対くの字になって、内側に入り過ぎていないか?
⑦ 甲と第2関節が外側に反り過ぎていないか?
⑧ 手のひらがネックにベッタリとくっついていないか?
⑨ 指と指の付け根がギュッと固くくっついていないか?
⑩ 指と指の第2関節がギュッと固くくっついていないか?
⑪ 使っていない人差し指をピーンと立てていないか?
⑫ 使っていない中指が7の字になって突っ張っていないか?
⑬ 使っていない小指がピーンと立っていないか?
⑭ 使っていない小指が折れてネックの下に潜り込んでいないか?
上記のチェック項目の例は、以下の写真のようなものです。
②親指が外側に反って、付け根に力が入っている。
③親指が内側に折れて、関節と指先に力が入っている。
⑤手首がくの字に折れて、関節と甲に力が入っている。
⑥手首が反対くの字になって、親指の付け根に力が入って、脇腹が締まっている。
⑦甲と第2関節が反り過ぎて、力が入っている。
⑧手のひらがネックにベッタリとくっついて、握りしめている。
⑨指の付け根同士が固くくっついて、力が入っている。
⑩第2関節がギュッと強く隣りの指とくっついて、力が入っている。
⑪人差し指が立っていて、力が入っている。
⑫中指が7の字に突っ張って、力が入っている。
⑬小指が立っていて、力が入っている。
⑭小指が折れて、力が入っている。
いかがでしょうか? 当てはまるものは何番でしたか?
弦を押さえている指に力が入り過ぎていることもありますが、実は、押さえている指ではない部分で、力んでしまったり、突っ張ってしまったりしている場合が多々あります。
その部分を意識して緩めるようにしてみると、押さえる指も楽になることがあります。
また、手首や甲に力が入り過ぎていると、左手全体が硬直している状態になりますので、そのような場合は、肩甲骨から腕全体の力を先ず抜いて、手のひらを軽く内側に緩めてみてくださいね。
全て問題ないという方は素晴らしい!もう既に、かなりの技術を身につけていらっしゃることでしょう。
そのような方は、この記事も読んでいらっしゃらないかもしれませんね。。。
マンドリン左手フォーム: ネックの高さ、傾きについて
いろいろ試してみても、どうもフォームがしっくりこない、あるいはどこかに違和感がある、という場合、ネックの高さが低すぎるということも考えられます。
どうしても注意点が、手首から先の方に気を取られますが、手の大きさ、指の長さ、太さが皆さんそれぞれ違うように、腕の長さも違います。
人によっては(曲によっては)、ネックを少し立ててみると、押さえやすくなることもあります。
これによって、右手の角度も変わってきますので、右手と左手セットで確認してみてください。
もう一つのケースは、肘が脇腹に付いて狭くなっている(脇を締めている)人は、ネックを少し前に出すと、少し脇が緩みますので、弾きやすくなることがあります。
基本を先生や先輩から教わっても、一人一人体型は違いますので、ネックを上下、前後で楽に構えることができる位置を見つけてみてくださいね。
まとめ
初めにもお伝えしましたが、無理はいけません。我慢もいけません。
力みをなくして、楽に弾けるフォームを身につけることが、上達への早道です。
しかし、すぐに楽に弾けるようになる訳ではなく、とにかく、肩甲骨から緩めて、一つ一つ、指一本一本、その都度意識してやってみることが大切です。
左手の押弦についての記事もありますので、是非、参考にしてみてください。
→マンドリン左手の押さえ方 より少ない力で良い音を出すための4つの方法
マンドリンをこよなく愛し、上手になりたい方を応援しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。